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中小企業診断士 笹田勝の ピラミッド型「目標達成法」
ピラミッド型「目標達成法」(以下、「P型目標達成法」)は、1973年に筆者が考案・開発した目標達成及び問題解決のための「目標達成プログラム」です。開発後、幾多の実践と改善を加え現在の「P型目標達成法」が完成しました。
「P型目標達成法」は、最小のコストで最大のパフォーマンスを実現する画期的な「目標達成プログラム」です。
「P型目標達成法」の目標達成のための階層構造は、図表1、2のとおりです。
「P型目標達成法」は図表1、2のとおり4階層構造で構成されています。最上段は経営目標などの達成すべき目標と目標値となります。
2段目は、上位目標値(図表では経営目標)の達成に絶対不可欠な重要な施策を様々な案の中から重要度・緊急度・実現可能性など考慮し「重点施策」として決定します。あわせて、重点施策ごとの「目標値」を設定します。
3段目は、上位目標値(図表では重点施策)の達成のために何を推進すべきか重要度・実行可能性・費用対効果などを考慮し「推進計画」を決定します。あわせて、推進計画ごとの「目標値」を設定します。
4段目は、推進計画ごとの「実行計画」です。実行計画はすべて「5W1H」で具体的に作成します。
なお、「経営目標」、「重点施策」、「推進計画」、「実行計画」の策定の具体的要領および実行段階における具体的推進要領ならびに所期の目標を達成するためのマネジメントのポイントなどは2回目以降で順次説明してまいります。
「P型目標達成法」は、経営全般をカバーする効率的な目標達成プログラムです。たとえば、最上段に利益増大、売上高増大、経費削減・・・新商品開発等々の経営課題の解決のための目標を設定します。2段目以降で上位の目標値の達成に必要かつ重要な施策と推進計画を決定しそれぞれの目標値を設定します。そして、推進計画ごとの実行計画を作成し計画的に実行します。実績は毎日モニタリングし問題点を早期に発見し是正措置を講じ所期の目標をはかります。
「P型目標達成法」は企業規模や業種・業態にかかわらずすべての企業で活用できます。すなわち、ヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源(基盤)の強化、会社を動かすオペレーションの改善、競争優位性を確立するイノベーションなど経営全般をカバーする無限の可能性を秘めている画期的な経営革新プログラムでもあります。
次回(2回目)以降の掲載予定は以下のとおりです。ご期待ください。
ある企業において、県庁所在地にある県内トップ売上のA支店の年間売上高は36億円でした。その商圏人口は200万人を超えていました。一方、地方都市のB支店の年間売上高は17億円弱で、商圏人口は、約50万人でした。B支店にピラミッド型「目標達成法」を導入する機会に恵まれ、導入前教育、導入及び導入後の運営について指導を行い、実施することになりました。
B支店の業績は、導入前に比較し売上高が大幅に伸び、2年後には年間売上高が70億円を超える驚異的な実績を示すまで飛躍的に発展しました。遂に、県内トップのA支店の売上高を超え、ほぼ倍増近く達するに至ったのです。B支店の人員は導入前に比べ2倍となりましたが、売上高及び利益は実に4倍超伸ばすことに成功したのです。このため、競合他社は脅威を感じ、あらゆる対抗策を打ち出してきましたが、B支店のトップシェアの地位を切り崩すことはできませんでした。また、日本銀行の地元支店が驚異的に業績を伸ばしているB支店の噂を聞きつけ、当時としては異例の経済動向観察(短観)の取材申し入れをしてきたのです。(勿論、取材には応じました。)
業績が驚異的に伸びたB支店の評判が知れ渡り、県内及び県外の大型支店、及びグループ他社から視察研修に訪れノウハウの一部を持ち帰りました。その後、本社でB支店の成功事例が注目され、成功要因、有効性、効率性、各種のデータ分析などを細かく検証、厳しい評価を経て全社的に「目標達成法」を導入することが決定されました。このようにして、全国展開に向け指導・支援させていただくチャンスを得ることができたのです。その後も定期的に見直し改善の要請を受け、指導を継続しました。
以上